テニスばっかテニス馬鹿 テニスネタでまんがやイラスト描いてます。

オペ室のベッドに横たわると体と左腕の間にタオルのカーテンが横切り視界を遮った。


腕の付け根付近にゴムチューブを巻きつけ思いっきり締め付けられる。

血液の流れが少なくなってきたのかだんだん腕全体が痺れてきた

自分の腕をまくらにして寝ていて起きたら痺れて感覚が無かった時のあの感覚だ。

局部麻酔も効いているので自分の腕が伸びているのか曲がっているのかもよくわからなくなった。

それでもなにかをしているは振動で伝わってきた。

切っているのか縫っているのか分からないけどなにかをしている。


ふと一人の野球選手を思い出した。

片腕でノーヒットノーランを達成した
メジャーリーガーのジム・アボット投手だ

人間やる気になりゃなんだってできるさ


ソフトテニスあがりの自分は片手バックだからグリップチェンジさえ出来れば問題ない

サーブのトスもなんとかなりそうだ

怪我したのが左手でよかった。
右手が無事なら漫画も描ける。


仕事復帰よりテニス復帰を先に考えてる自分に少しあきれながらオペは４時間を経過していた。


周りが静かになってきた。


終わったのかな



先生が自分に話しかけてきた。



「おしサバさーん、今から全身麻酔に切り替えますね」






・・・・マジ？・・・

病院に到着してから２時間は経っていた。

怪我の状態を聞き、これから行う手術の内容を聞く。

「薬指は状況によっては切断という処置になるかもしれません」

「全身麻酔を行った場合、万が一ですが万が一の事がある可能性があります」

（よく覚えていないが
「もしかすると死んじゃうよ」
的なことを言ってたと思う）


今の自分に選択の余地なんて無い
まな板の上のサバだ、先生のおまかせコースで煮るなり焼くなり好きにしてくれぃ

手術の同意書にサインし手術室に移動

局部麻酔からオペが始まった。